2011年9月14日水曜日

「セカイカメラ」 井口さんの講演

こんにちは、運営事務局で宿泊施設を担当している金瑞香です。

第8回目のブレークスルーキャンプミーティングに「セカイカメラ」で知られる頓知ドットの井口さんをお招きしました。 井口さんはアメリカの某イベントで大爆笑を誘うプレゼンテーションをされるなど、現在シリコンバレーで最も高い評価を得ている日本人の一人です。プレゼンテーションでの質疑応答の長さは史上最長。なんと未だにその記録は破られていないとか…。


そんな日本を代表する井口さんは、キャンプ参加者にどのようなお話を聞かせてくれるのでしょうか。
*その様子はこちらのURLから観ることができます
http://www.youtube.com/watch?v=HbcO46ELZ7A

1.世界を変えるために大切なこと
井口さんは自身のインサイトストリーを語ってくれました。会場のスライドには以下のような文字が映し出されました。

"I want to do!"
"I can change the world"
"I can do!"

これは井口さんがゴールデントライアングルと呼んでいるものです。

「自分がやりたいと思ったことが行動の原点にあって、次にそれが自分の力で実現可能なのかを考えなければならない。そして、その行動で世界を変えれると信じ貫くことができるかできないか。」

あの有名な「セカイカメラ」というサービスもこの3つのゴールデントライアングルから生まれました。井口さんはどうしたら個人のもつ情報を可視化できるのかということを考えARを使った「セカイカメラ」というアプリを開発しました。


2.いつも出発点は「why」
そしてもうひとつこの井口さんのお話の中で印象に残ったのが、ゴールデンサークルと呼ばれる考え方です。



これはTEDで世界を変えてきた人間たちがいかに物事に向き合ってきたかを図にしたものです。普通の人の考え方というのはWhat→How→Whyという順番で物事を考えがちになります。しかし、本当に世界を変えるようなサービスを提供するにはWhy→How→Whatで考えなければなりません。そうする事で「why」という問題提議に共感した人が集まり、より多くの人が惹きつけられるサービスや製品を創っていくことが可能となるのです。

「自分の執念というか確信を持っていると、ストーリーが自然と出来るので、ストレートかつシンプルに伝える事が出来る。」

「なんのために会社をやっているのか、何のためにこの製品を作っているのか、そこの価値観がはっきりしていないと世界で戦っていくのは厳しい。」

3.3.11とITのこれから
最後に井口さんは、今年3月にあった大震災の時のお話をしてくださいました。その時井口さんは、アメリカで大切なプレゼンテーションを控えていました。映像を通じてみる日本は想像以上の被害でした。そして井口さんは、その日の予定をすべて取りやめて日本への募金活動へと動き出しました。

「もしかしたらこの判断は間違っていたかもしれない。しかし、いてもたってもいられなかった。」

先ほどまで豪快にお話していた井口さんでしたが、この時は声を詰まらせまるで昨日あった出来事かの様に震災で受けたショック、そして自分達が海を越えたアメリカでどのような思いでいたのかを語ってくれました。

井口さんはこの震災にこれからどう向き合っているのでしょうか。

「日本のサービスは言語の壁があって、グローバルに使われる事が少ない。それは3.11の震災で再実感させられた。それは、結局日本にも利益をもたらさないし、困難な課題に取り組む事も出来ない。日本は、富もあるし教育レベルも文化レベルも高い。テクノロジーに対するコンフィデンスも高いし、日本のブランドは健在。私達が新しいvalueをもたらす事によって、若者ももっとvalueを生み出していく。そんなサイクルを作れないかな、と思っている。」

井口さんの熱い想いはブレークスルーキャンプの参加者どのような想いをもたらしたのでしょうか。

いよいよブレークスルーキャンプも大詰めです。井口さんに負けない強い気持ち持ち世界を変えてしまうようなアプリ・サービスが生み出される日を楽しみしていてください!

金瑞香 
運営事務局 宿泊施設担当
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