2011年9月22日木曜日

ブレークスルーキャンプ決勝プレゼンレポートと今後について

ブレークスルーキャンプ事務局副代表の小俣です。
昨日9月19日、ついにブレークスルーキャンプが決勝を迎え、2ヶ月に渡る開発キャンプにピリオドが打たれました。

■決勝プレゼンのご報告


審査員にMOVIDA JAPAN 孫泰蔵様、AppBank代表 村井智建様、プロフェッショナル コネクター 勝屋久様、マイクロソフト ディベロップメント 代表取締役 加治佐俊一様、TechWave副編集長 増田真樹様、そしてブレークスルーキャンプ事務局よりブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクター赤羽雄二を審査員としてお迎えし、各チーム5分間のプレゼンテーション、2分間の質疑応答を以て順位を決定しました。

すでにウェブ上で結果がかなり伝播されているかと思いますが、改めてブレークスルーキャンプ運営事務局より結果をご報告させて頂きます。

ブレークスルーキャンプ2011Summer決勝プレゼン


優勝 “Facematch” 合田チーム
準優勝 “engraph” 高橋チーム
3位 “Mutl” 高瀬チーム
3位 “I’m free!” 中山チーム

MS特別賞 “Tegal Stock” 杉山チーム

入賞したチームに限らず、どのチームも本当に素晴らしい成果でした。あくまで審査の結果としてこのような順位となりましたが、あくまでイベントの一区切りとして、このような形で順位を付けねばならなかったというだけです。

■ブレークスルーキャンプを振り返って

僕がこのブレークスルーキャンプの一番好きなところ。
それは「順位が本当にひとつの指標でしかない」ということです。

ビジネスコンテストの講評などでもよく言いますよね。
「順位はあくまで順位で…」と。
しかし、ビジネスコンテストではもちろんその最終審査のためにプランを組んできたわけで、そこで結果がでなければその後に続くことなどほとんどないと言ってよいと思います。

しかし、ブレークスルーキャンプは違います。

参加者全員が自分たちのサービスをリリースし、それからどう戦っていくのか?

このサービスリリース後の戦いこそ、ブレークスルーキャンプ参加者にとっての本当の主戦場であり、審査で優勝できなかったチームが世界的なヒットを記録するサービスとなる可能性も大いにあります。

そうなれば、今回贈呈された賞品など本当に微々たるもので、そういった意味では順位を気にせず、サービスをより良くしていくためのトライを続けてくれることを切に願います。
(そんなことを僕が言わずとも参加者のみなさんは開発が好きで、自分のサービスを愛している人しかいないことは承知しておりますが…)

■ブレークスルーキャンプの今後のはなし




ここまでの話を端的に述べると、出場者にとっての本当の審査員は一般の人々、ユーザーたち、ということです。僕達がどれだけ愛情を注いで、特別な思い入れを持っていたとしてもいざマーケットに出れば単なるひとつのアプリでしかありません。

もしかしたら「この2ヶ月はなんだったんだ…?」と思ってしまうほど簡単にはね除けられてしまうサービスが殆どかもしれません。世界に出やすくなったということは逆により多くの潜在的な競合と戦っていかねばならなくなったということを示しています。

しかし、決勝プレゼン後の懇親会で代表の遠藤がこのようなことを言いました。

「どんなに経っても、一生、みなさんのサービスを応援し続けます。事務局はずっとずっとみなさんのサービスの最高のファンです―。」

彼がどういうつもりでこの言葉を発したのかはわかりませんが、僕はこう解釈しました。

ブレークスルーキャンプはウェブサービスやアプリで日本から世界へ飛び立つための開発及びマーケティングのプラットフォームを目指すのだ、ということです。

2ヶ月間のキャンプがウェブサービスの構築及び拡大という観点からどのように機能したのかということを軽く振り返ってみます。

当初荒削りだったアイディアは参加者同士やメンターとのディスカッションによって日々ブラッシュアップされていきました。また、開発のノウハウに関してはすべて石井さんや浅見さんを筆頭に社会人スタッフ、また外部からの特別講師の皆様によって提供される環境がありました。

これら2点によって、サービスの設計と技術的なレベルに関してはかなり高い水準が保たれていました。

■みんなで集まって声を上げることで生まれるパワー、世界へ向けて。

そして、ここからが今回のキャンプで可能性の一端を感じた点。それはサービスローンチ後の拡大にキャンプ全体のコミュニティで寄与するということです。

①キャンプにお越しくださったメディア・インフルエンサーの方々による認知拡大
②キャンプの期間を通じて力をつけたブレークスルーキャンプのメディアを利用した認知の拡大
③参加者同士で生み出すバズ

主に以上の3点をより効果的に設計し、育て上げていくことで、ブレークスルーキャンプというコミュニティ全体でサービスローンチ後のスタートダッシュを支援できるのではないかという可能性を感じたのです。

大事なのは「みんなで集まり、一斉に発信する」ということ。これを仕組みとして設計するのは本当に難しいことです。しかし、ブレークスルーキャンプならできる、2ヶ月間を通じそう感じました。

ですから、今回の参加者はもちろん、スタッフ、メンター、そしてゲストとしてお越しくださった方々から構成されるブレークスルーキャンプコミュニティを常に熱く、熱く保ち、みんなで「これを応援しよう!」というものを育て上げ、作り上げ、世界に向けて一斉に声を上げて見せつける。

これを繰り返していく中で、世界的なサービスをひとつでも多く生み出すのがブレークスルーキャンプのひとつの完成形であり、ミッションであると思っています。そして最終的にはTech CrunchのDisruptのようなブランド力を付け、日本発世界的サービスをひとつでも多く育てていければ事務局一同としては至高の喜びです。

まだあくまで、小俣個人として、というレベルではありますが、この最後の点、「コミュニティとしてサービス拡大に貢献できるシステムの構築」を目指し、今後もブレークスルーキャンプに関わっていきたいと思います。

最後になりましたが、ブレークスルーキャンプをご支援くださいましたスポンサーの皆様、ゲストとしてお越しくださいました皆様、また頼りない学生事務局をご支援くださいました社会人スタッフ、参加者の皆様にこの場をお借りし、心から感謝申し上げます。

小俣剛貴 
運営事務局 副代表
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